招待講演原島博先生

研究の仕方についての講演。
工学の研究が探究型でいいのか?は興味深かった。
自分の興味のあることをやりつつ、社会に見せながらフィードバックをもらうというオープンスパイラルモデルの提案。

以下、メモ
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科学技術研究は2通りあってだな。探究型は自然法則の解明を行う。それに対し、創造型はモノを作る研究だ。しかし、工学部は創造型なのに、探究型でいいのか? 理学部と同じでいいのか? 新しい研究モデルが必要なんじゃないのか?

研究のリニアモデル(分業モデル)
研究→学会→産業→社会
【研究・学会】真理の探求と知の蓄積
【産業】実用化しなければならない
【社会】知の応用
社会へ貢献

左側が大学、 右側が企業


研究自体が社会に関わるので、研究にフィードバック
ぐるぐる回す
まず社会に見せる?

コミュニケーションの数学的基礎→コミュニケーションの本質を支える技術を探る
ヒューマンコミュニケーション工学

【科学技術の歴史】
2つの科学革命
17世紀
コペルニクスガリレオケプラーデカルトニュートン
実験的方法に基づく実証的知識
自然哲学の方法論を確率
19世紀
科学者という名称が登場
同業者団体という学会が登場
レフリー制度
科学の制度化
好きだからやっている

20世紀プロジェクトとしての科学技術
始まりは軍事
MIT、V.ブッシュ
シャノンは弟子
この戦争を勝つには科学しかない

戦後は軍民転換
科学、この終わりなきフロンティア
ブッシュ主義

科学のモード論
1科学者自らの好奇心に基づいて行う自己充足的な研究ボトムアップアプローチ
2国から要請を受けて行うプロジェクト的研究トップダウンアプローチ

科学・技術ではない「科学技術」

バブル後は大学にプロジェクト化させろ
競争的資金を制度化
科学技術基本法1995

競争的資金,任期制の導入、ポスドク1万人
研究機関は研究受託事業体
臨時雇用研究者
アカデミックキャピタリズム
社会的契約の履行者ということを自覚すべき
国と産業界がクライアント
明確な達成目標と達成度で評価される
科学技術研究は基礎研究も含めて、知的活動から管理された経済活動となった

地球環境問題、ローマクラブ
人類の非常時に向けて総動員体制になる

グリーンイノベーション
ライフイノベーション
災害に対する安全・安心

緊急性のない研究は切り捨て
ポスドクの破綻
管理された体制になる

自分なりの新しい学問のパラダイムを作りたい
クーンのパラダイム
科学は連続的なシンポではなく、断続的に転換する
科学は、あるパラダイムのもとで通常科学として遂行されるルーティンワーク

通常科学は寿命を持つ
競争的資金の研究はルーティンワークを期待している
研究の尺度は達成度
トップデータを出すことが目的で、あたらなパラダイムを生み出す研究ではない
新たなパラダイムはいかに生み出すか
個人的な好奇心
自己充足型
鎖国

モード2
課題解決型研究
請負型

モード3は?
発信型、ビジョン型
シーズ主導(モード1)
ニーズ主導(モード2)
意志主導の科学

技術研究は創造型のはずなのにこれでいいのか
技術研究が単なる科学のお鷹揚であったときは科学の研究推進モデルでよかった
自然との対話がない自然科学研究はない
工学は社会に対してどう貢献するか
社会文化に貢献を目指す技術研究において

予感研究所?
成果発表会ではなく、研究そのもののプロセスである
中間段階の研究を社会に見せることによってフィードバックされて研究が推進される
展示やデモも研究の業績として位置づけたい


ウォーターフォールモデルとスパイラルモデル(ベータ版)
リナックスみたいな

研究を社会に見せる仕組み
社会に見せたことを評価する仕組み
社会に見せたことを研究にフィードバックする仕組み

NDS

社会が広すぎる?
しゃかいのとりあい?埋もれる?
昔かたぎの人は大丈夫?